小田 翼

小田 翼さん近影

甘みあがあって濃厚な小国ジャージー牛乳の味を販路を拡大して伝えたい

プロフィール

小田 翼(おだ つばさ)さん/昭和60年、小国町生まれ。
熊本県立農業大学校を卒業後、父親の清さんが経営する「ジャージーファームおだ牧場」で酪農を学び、後継者となる。大学校の後輩だった夏絵さんと平成19年に結婚し、5歳の陽向くん、3歳の雫ちゃんの父親。小国郷4Hクラブ一志会会長として、小学生の農林体験や高校・大学生の現場研修受け入れも行っている。
現在、九州ブランド㈱のサイトで、のむヨーグルトをネット販売中。

きっかけ

作業の様子を写した写真高校時代まで、野球選手になることが夢でした。長男でしたが、祖父と父が築いてきたジャージー牛を飼育する酪農に携わる考えは全く持っていなかったんです。父も「好きな道に進んでいい」と言ってくれていましたから、野球をするために玉名の高校に進学しました。しかし、高校2年の時の母の病気をきっかけに、改めて「野球は本当に自分の夢だろうか?」と考え始めました。
そんな時、部活に差し入れをした小国ジャージー牛乳を飲んだ友達が、「今まで牛乳は嫌いだったけれど、この牛乳なら飲める」「おいしい」と喜んでくれたんです。友人たちの言葉を聞いて父の仕事に誇りを感じ、「酪農を将来の夢の候補の一つとして考えてもいいかも知れない」と思いました。

「牛乳っぽくない味」

ご家族の写真ジャージー牛は、昭和20年台にオーストラリアから小国郷に導入された乳牛です。以来、町ぐるみで酪農業に取り組んできました。現在、小国郷の酪農家20軒ほどで、ジャージー酪農組合を組織し、「阿蘇小国ジャージー牛乳」のブランド名で共同出荷しています。
ジャージー牛から搾った牛乳は、とても濃厚で強い甘味が特徴です。一般的な乳牛のホルスタイン牛より小柄ですが、牛乳に含まれている栄養素は豊富です。私は「牛乳っぽくない味」だと言っているんですが、クセがなく牛乳が苦手な人でも飲みやすいと言われますね。
物産市などに出向いて対面販売する時、ジャジー牛乳を飲んだ方から「おいしい」と言ってもらえる時が何より嬉しい。
子どものころからずっと身近にいたジャージー牛には、愛着があります。生き物ですから、重要なのは体調管理。風邪を引いても見た目は元気な時があるので、餌を残していないかとか、咳をしていたり、鼻水を出したりしていないかなども毎日チェックしています。

今後の夢

乳製品と子牛の写真浸透しているブランドを守りながら、今後は、おだ牧場のブランドも充実させたい。酪農家の飼育法はそれぞれ異なりますが、共同出荷ですから、販売時に私の名前は表に出ません。私なりに工夫して育てたジャージー牛の牛乳をおだ牧場のオリジナルブランドとして広げたいと思っています。今はインターネットを利用して成分無調整の「阿蘇ジャージー飲むヨーグルト」などの乳製品を少しずつ販売しています。生産者から直接消費者の方に届けることで、ジャージー牛乳を通して、小国郷の活性化に繋げたいとの願いも込めているんです。販路を拡大させて、本当のジャージー牛乳の味をもっともっと広めたいと思っています。

  • このページの原稿と写真は公益財団法人阿蘇グリーンストック発行「草原だより Vol.52」より抜粋いたしました。
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