穴井 巳喜生

穴井巳喜生さん近影

地元主体の地域づくりで、田舎の素晴らしさを伝えていきたい

プロフィール

穴井 巳喜生(あない みきお)さん/昭和28年、阿蘇郡小国町生まれ。小国中学校を卒業後、伝習農場(城南町)で1年間農業を学ぶ。18歳より就農し、阿蘇の原野の野草を刈り、1年間寝かせた野草堆肥を使ったキュウリ栽培を行っている。現在、JA阿蘇小国郷きゅうり部会部会長、黒渕387会副代表を務める。

きっかけ

作業中の写真小国町には6つ地区があり、各地区にコミュニティプランチームがあります。発起人は、前小国町町長の宮崎暢俊さん。宮崎さんが地域活性化のために、「地元に根づいた人の中からリーダーを選んで、地元から地域おこしを始めよう。」と提唱されました。私達の「黒渕387会」は、黒渕地区の真ん中を通っている国道387号線にちなんで名付けました。

最初に手掛けたのは、坂本善三美術館の誘致活動です。熊本県内で美術館の建設計画が起こった時、場所は未定でした。そこで、ぜひ黒渕地区へ誘致しようと勉強会を開き、大分市や日田市の小さな美術館を視察しました。その甲斐があって誘致に成功。この誘致をきっかけに地元全体で地域を盛り上げる活動を行うようになりました。

功績

鍋ヶ滝の写真鍋ヶ滝の清掃活動やライトアップも行われています。その功績が認められて、社団法人日本河川協会より「平成20年河川功労者表彰」を受賞しました。受賞は熊本県の推薦を受け、川を中心とした地域活性化に貢献があった点が認められました。
活動が認められて嬉しいというよりは、きれいになった滝を、ライトアップなどで、皆さんが見に来てくれるようになったことを嬉しく思っています。自分たちだけで「いい滝がある」といっても、だれも見てくれなくては地域の活性化にはつながりませんから。

春とゴールデンウイークに行っている滝のライトアップも皆さんに見てもらいたいとの思いから。鍋ヶ滝は、滝の裏側の大きな空洞からライトで照らすと、一度来た方にも別のイメージを見せることができるのではと始めました。

今後の夢・目標

小国は、山と川、温泉がある理想の田舎です。
なるべく自然を壊さず、自分たちが育っていた頃の原風景を残し、「小国から出て行った人が、帰ってきやすい田舎」にしたいとも考えています。例えば鍋ヶ滝も、なるべく手を入れず、自然のままで残したい。田舎に帰ってきた時に、子どものころの風景が残っていたらとても嬉しいと思うんです。
日本の田舎は、高齢化などで過疎化している地区も少なくありませんが、自然など、田舎が持つ良さを、地元をはじめ県外の人にも訴えていきたいといつもみんなで話しています。

今後も、無理せずにできる範囲で、都会に出て行った人達が楽しみに帰って来られるような地域づくりとイベントを企画して行きたいですね。

  • このページの原稿と写真は公益財団法人阿蘇グリーンストック発行「草原だより Vol.38」より抜粋いたしました。
  • 草原だより」の詳細・ご購読についてはwww.asogreenstock.com/magazine/をご覧ください。