「長寿ヶ丘公苑」は、阿蘇市の狩尾地区から北外輪山の端辺原野にでる坂道の途中にあります。かつてのこの坂道は、(狩尾)牧野へ通じる道であり、牛を引いていく「草の道」でした。「長寿ヶ丘公苑」は、農家の暮らしを支えてきた「草の道」を伝えるために、地元の老人会などが整備されたそうです。現在、長寿ヶ丘公苑は、4月末~5月上旬のつつじがきれいな場所として有名です。このつつじは、昭和40年代に今の道が整備されたのを機に、先人たちの苦労に敬意を表して、地域の各家庭(約200軒)から1本ずつ、苗を持ち寄って植樹したのが始まりだそうです。この道は、狩尾牧野へ通じる道として農家に使用され、春はつつじがきれいな公苑として多くの人々に親しまれています。
また、同地区では、「長寿ヶ丘公苑」だけでなく「狩尾の扇」と呼ばれる、扇型の模様を夏から冬の間に北外輪山で見ることができます。これは、明治時代から行われているそうで(一時期途絶えた時期もあったそうです)、現在は、観光資源として活用してもらおうと地元の有志の方々(扇保存会)により、毎年草を刈り作られています。