湯田牧野組合

新技術による牧野管理

〇基本データ
・所在地:阿蘇郡南小国町中原
・構成員:4名
・飼養形態:繁殖
・飼養頭数:24頭 うち放牧頭数24頭
・飼養品種:褐色和種21頭、黒毛和種3頭
・牧野面積:116ha

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今回は、湯田牧野組合を取材。組合長の河津哲文(かわづてつふみ)さんは、「(牛たちはかわいくても)好きだけではこの仕事はやっていけない。」と正直な胸の内を語った。

河津さんは、今年(令和6年)から、繁殖雌牛を飼養する湯田牧野組合の組合長を務める。
平成初期には、30名だった組合員も、高齢化等で徐々に減少し、昨年から4名へ。
しかしそんな中でも、牛の健康管理やバイチコールによるダニ等の外部寄生虫対策をしっかり施すことで、少数精鋭ながら牧野管理が継続できていることは、湯田牧野組合の特徴だと河津さんは語った。

湯田牧野組合では、今年からスマートフォンなどにより遠隔で牛を監視する「うしみる」を試験利用。牧野に行かなくても牛の位置を確認でき、脱柵やケガ等で動けなくなった牛の早期発見ができる。さらに、自動操舵トラクターの活用により、草地管理の省力化に大きく貢献できないか新たな管理方法も試験的に取り組まれている。

湯田牧野組合は、北外輪山から延びる台地上に位置し、広大な草原が広がる。牛たちは、その草原の草をむしゃむしゃと音を出しながら食べる。河津さんの声が聞こえるとすぐに駆け寄り、撫でてと言わんばかりに甘えてくる様子はとてもかわいらしかった。そんな牛から生まれた子牛は、熊本県家畜市場へ出荷され、肥育農家へ引き渡され新たな場所で大切に育てられる。湯田牧野組合では、10月、11月に、褐色和種(あか牛)が1頭ずつ出荷される。

繁殖飼養は、あか牛生産にとって要となる仕事だ。

取材日:令和6年10月1日

湯田牧野組合の牛たち

湯田牧野組合から望む広大な台地

草原で休むあか牛

「うしみる首輪」をつけたあか牛