先代が残してきた阿蘇の草原とあか牛を守り、伝えていく使命
〇基本データ
・所在地:阿蘇市一の宮町坂梨1609
・構成員:30名
・飼養形態:繁殖
・飼養頭数:72頭 うち放牧頭数72頭
・飼養品種:褐色和種32頭、黒毛和種32頭、馬8頭
・牧野面積:447ha
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箱石峠近くの町古閑牧野を訪れるとテンガロンハットを被った市原啓吉さんが出迎えてくれた。
市原さんは、町古閑牧野の組合長を務める。その傍ら、修学旅行で毎年、中高生200~300人ほど受け入れ、阿蘇の魅力、草原の魅力を伝えている。
その他にも、野焼きや草小積み体験などでの指導や阿蘇草原の野草を堆肥として農産物を生産している草原再生シールの会の会長も務めるなど、精力的に草原保全活動を実施している。
あか牛は、元来、阿蘇の在来牛とスイス原産のシンメンタール種との改良により誕生した牛。市原さんは、先代が生み出した牛を種として保存したいという思いが強いと語る。
現状、地元の高齢化等もあり、草原を利用する人、草原を守る人が減少している。
そのため、地元住民だけで、草原を守り続けていくことには限界がある。
そのような中で、何とか草原を守り続けているのは、ボランティアの存在が大きいという。
町古閑牧野でも、組合員の高齢化、後継者不足が課題となる中で、ボランティアを受け入れることで、野焼きを継続している。
まずはより多くの人に草原がもつ宝物を知ってほしい、美しい草原を知ってほしいと市原さんは語った。
最後に、市原さんに消費者に向けてメッセージをお願いした。
「あか牛は、うまみ成分であるカルニチンが多く、黒牛と異なり、飽きがこない美味しい肉。」 「食べることで、是非とも応援してほしい。」市原さんはそう語った。
取材日:令和6年11月5日