阿蘇の主な農畜産品

阿蘇の農地は高地の冷涼な気候である上に、火山性土壌で生産性が低かったのですが、長きにわたり草を食べた牛の堆肥や草資源を活用した緑肥により土壌改良を行ってきた結果、阿蘇では稲作や肉用牛のみならず、野菜や花など多様な農業が盛んに行われています。

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農産

concept01阿蘇地域の農業は、酸性で養分が乏しく生産に不利な火山性土壌を、カルデラの多様な特性に適合させ、農地の改良を長年にわたり繰り返してきました。今日では、夏季の冷涼な気候を活かした農業生産が盛んに行われています。

稲作においては、白川下流の熊本平野などでは、夏季の高温に対応して暑さに強い品種への転換が進められているのに対し、阿蘇地域においては、カルデラの底に広がる平野部を中心に、寒暖の差が大きい気候に適したコシヒカリが多く作付けされています。

野菜では、トマト、ほうれん草、アスパラガス、大根、キャベツ、イチゴなどを、花きではトルコギキョウ、リンドウなどを中心として、多品目の農産物に加えて、在来野菜も豊富です。

「阿蘇高菜」は、火山性土壌の高冷地という阿蘇の厳しい気候風土が生み出した在来の野菜です。そのほか赤い葉柄が食用となる里芋の一種「あかどいも」、「鶴の子いも」、「黒菜」などがあります。

トマトの写真

トマト

アスパラガスの写真

アスパラガス

キャベツの写真

キャベツ

イチゴの写真

イチゴ

タカナの写真

阿蘇高菜

畜産

現在の阿蘇地域では、広大な草原を活用したあか牛肉用牛の生産等が行われており、肥育牛と繁殖牛を合わせて約20,000 頭の肉用牛が飼育されています。

日本で飼養されている肉用牛は黒毛和種が中心ですが、阿蘇地域では在来品種である褐毛和種(あかげわしゅ)(以下「あか牛」)を主体とした繁殖経営が行われてきました。あか牛は、一般に体質が強健で性格がおとなしく、寒さ・暑さに耐え、粗飼料の利用や採食性に優れるという性質を有しており、草原での放牧に適しています。

あか牛認定店マップ

pudding_sその肉は、和牛本来の香りと味があり、あか身肉の旨さとほどよい脂肪のバランスに加え、アミノ酸の一種「タウリン」が豊富に含まれるヘルシーなところが特徴です。また、酪農も盛んでジャージー種の牛乳は濃厚で乳製品は阿蘇のブランドになっています。特に杖立プリン・黒胡麻プリン・ほろにがプリンは杖立温泉各旅館のオリジナルです。

林業

林業も、阿蘇地域における主要な産業のひとつです。杉林カルデラ内外の森林のほとんどは、草地に植林された杉やヒノキからなる人工林であり、これらは水源涵養や木材生産のために植えられたものです。

阿蘇地域の北部に位置する南小国町及び小国町は、長い植林の歴史があり、「小国杉」として全国的なブランドとして知られているほか、全国唯一のヒノキの挿し木品種である「南郷檜」もあります。

材木の他にも、木質バイオマスへの活用等も近年進めており、低コスト生産と地域材の有効活用を推進しています。