阿蘇の持続的な草原管理システム
草原は、牛馬の放牧の場としてだけでなく、草が牛馬の飼料や厩舎の敷料となり、牛馬の糞で堆肥を生産して田畑へ投入してきたように、畜産のみならず、稲作や畑作と緊密に結びつき循環的に利用されてきました。特に1950年代までは、農業用牛馬の飼料、堆肥の確保、田畑の耕作と、それらを生業とする農家が牧野を集落ごとに入会地(いりあいち)として管理することがセットで営まれてきました。
「野焼き」は、春を迎える2月後半から4月にかけて行われます。野焼きにより、低木を除去し、初夏にはススキなどを再び繁茂させる、省力的で効果的な草原の管理技術です。
放牧は、野焼きの後、野草が伸び始める4月から霜が降りる11月頃まで行われます。
また、初秋になると採草地では冬場の貯蔵飼料得るための干し草刈が行われます。50年ほど前までは北外輪ではススキで作った小屋に何日も泊り込んで草を刈る「草泊まり」が行われていました。刈った草は1~2日天日干しした後、その場で「草小積み」と呼ばれる形に積み上げて保存されていました。
草原管理の知識と技術
野焼き「野焼き」は、雪解けの後の2月後半から4月にかけて行われる。野焼きにより低木を除去し、初夏にはススキなどを再び繁茂させる、省力的で効率的な草原の管理技術。 放牧放牧は、野焼きの後、野草が伸び始める4月から霜が降りる11月頃まで行われる。 かつて、夏場は厩肥生産などのために休牧していたが、現在は春から秋まで連続放牧する夏山冬里方式が主流。広域放牧や周年放牧も進められている。 |
出典:阿蘇草原再生全体構想(草原再生協議会) |
採草初秋になると採草地では、冬場の貯蔵飼料を得るための干し草刈りが行われる。50年ほど前までは北外輪ではススキで作った小屋に何日も泊り込んで草を刈る「草泊まり」が行われていた。刈った草は1~2日間天日干しした後、その場で「草小積み」と呼ばれる形に積み上げて保存されていた。 |